皆さん、生理の規則正しくきていますか?
生理のリズムは、個人差がありますが、規則的に来ていることが大事です。
生理は、妊娠するため体のためのバロメーターであり、また女性の健康な体の指標になります。
そんな中、ちょっと遅れ気味、いまいちリズムが安定しないなんて人いませんか?
今回は、そんな方のために、生理不順の原因を東洋医学的に説明して、タイプ別に効果のあるツボをご紹介します。
Contents
生理について
まずは、女性の生理についてお話します。
生理とは、胎児のベッドになる子宮内膜(しきゅうないまく)が、古くなったため、排出するために起こるものです。
女性の生理には周期があり、約1ヵ月(28±3)の間隔で起こります。
この周期は、ホルモンにより規則的に起こるように管理されています。
しかし、この周期が不規則になることを生理不順といいます。
生理不順ってどうしておこるの?
生理不順が起こる原因は、様々です。
1番多いのは、ダイエットです。
女性は、男性より皮下脂肪がつきやすい体質になっています。
これはエネルギーを使う妊娠のために、脂肪をエネルギー源として、貯蓄するためです。
しかし、ダイエットにより脂肪が少ないと、妊娠に耐え切れない体と脳が判断してしまいます。
その結果、生理を止めようとするため、生理周期が乱れてしまいます。
やせ型の人や体脂肪率の低いアスリートの人が、生理が乱れる理由の1つです。
その他にも、太りすぎやストレスにより、ホルモンバランスが崩れてしまい、生理不順を起こします。
学生時代は不順が普通?
実は10代では、子宮は未熟であるため、生理周期が乱れがちです。
生理不順で、神経質になる人も多いと思いますが、経過を把握して管理しておけば、大丈夫です。
しかし、その他に生理痛の強さやおりものの異常などがあれば、病院受診をおススメします。
注意するべき生理不順
生理周期は、20代に入って安定してきます。
生理不順の原因は、ダイエットやストレスだとお話ししましたが、それだけではありません。
実は、病気が隠れているサインの場合もあります。
甲状腺の病気や子宮内膜症、多嚢胞性卵巣症候群など様々な病気が原因で、生理不順を起こす危険性もあるのです。
判断するのは難しいですが、生理不順の他にも何か症状があることが多いです。
- 人と比べて生理痛が強い
- 生理が1週間以上続く
- ナプキンが1時間ももたないくらいおりものの量が多い
などの症状があれば、病院で1度検査しておくといいでしょう。
東洋医学では生理不順をどうかんがえるのか
東洋医学では、生理不順を3つに分けています。
- 生理の周期が1週間早くなったり、1か月に2度あるものを「経早(けいそう)」
- 生理が1週間以上遅れ、40~50日に1度のものを「経遅(けいち)」
- 生理が早くなったり遅くなったり、量が多かったり少なかったりするものを「経乱(けいらん)」
1つずつお話していきます。
経早
生理が早くなるものは、3つのタイプがあり、生理のおりものの状態によって分けられます。
- 気虚(ききょ)
- 腎陰虚(じんいんきょ)
- 熱証(ねっしょう)
気虚
東洋医学でいう気というエネルギー不足で起きます。
気には、いくつか役割があり、栄養分である血を子宮に溜める力もあります。
エネルギー不足により、本来の生理の日が来るまで待てずに、生理を起こしてしまいます。
食欲がなく、疲れやすい人に多く、経血の色が薄いのに、量が多いのが特徴です。
このタイプには、気海(きかい)・足三里(あしさんり)を使います。
腎陰虚
栄養分である血と水分が不足してしまった状態です。
水分の不足により、少し熱を持っている状態のため、喉が渇きやすく、顔の頬の辺りが少し赤い、ほてりやすいタイプになります。
また経血の色が赤いですが、水分がないため、粘り気があり量が少ないのも特徴です。
こちらのタイプには、太渓(たいけい)・復溜(ふくりゅう)がいいでしょう。
熱証
辛い物や刺激物の食べ過ぎ、長いストレスなどにより、体の中に熱が溜まってしまった状態です。
こちらは、顔全体が赤く、口が渇き冷たいものを飲みたがり、怒りっぽく、眠れない人が多いです。
そして、経血は量が多いか、少ないけど色が濃く、粘り気があるタイプです。
このタイプは、血海(けっかい)・中極(ちゅうきょく)が有効です。
経遅
生理が遅くなるものは、以下の3つになります。
- 痰湿(たんしつ)
- 血虚(けっきょ)
- 寒証(かんしょう)
痰湿
脂っこいものや味の濃いもの、お酒の暴飲暴食などが原因になります。
生理の遅れに加え、手足の湿りやむくみやすい、おりものに帯下が混じることが多いのが特徴です。
このタイプには、豊隆(ほうりゅう)・中極を使います。
血虚
このタイプは、生理の遅れに加え、経血の量が少なく、色も淡いのが特徴です。
その他にも、生理の終わりの方でじわじわ痛み、目のかすみ、めまいなどの症状がみられます。
このタイプには、血海・子宮(しきゅう)を使います。
寒証
このタイプは、生理の遅れに加え、下腹部の冷えや痛みがあり、経血の量が少ないのが特徴です。
このタイプでは、帰来(きらい)・関元(かんげん)を使います。
このタイプは、体を冷やさないように注意し、上記のツボをお灸などで温めると、効果的です。
経乱
生理周期の乱れが安定しない人は、2つのタイプが多いです。
- 肝気鬱結(かんきうっけつ)
- 腎気虚(じんいんきょ)
肝気鬱結
このタイプでは、生理周期の乱れに加え、イライラやため息を良くつく人が、多いです。
また胸や下腹部が張る感じがするなどの症状があります。
このタイプには、支溝(しこう)・気衝(きしょう)がいいでしょう。
腎気虚
このタイプは、生理周期の乱れに加え、めまいや生理の終わりにじわじわ痛む生理痛が見られます。
おりものの色が薄く、量も少ないのなどの特徴があります。
ツボは、太渓・子宮を使います。
また生理不順のどのタイプに関係なく、下腹部にするどい痛みやおりものに血の塊が混じっている場合は、瘀血(おけつ)を伴っていることがあります。
瘀血とは、血の滞りのことで、生理などの女性の症状では原因になりやすいものです。
それに対応するツボとして、太衝(たいしょう)と三陰交(さんいんこう)が有効です。
まとめ
生理不順とは、生理周期が不規則になることをいいます。
原因は、ダイエットが1番多く、他には太りすぎ、ストレスがあります。
10代では生理周期が乱れがちですが、20代では病気のサインの可能性があり、注意が必要です。
東洋医学では、「経早」・「経遅」・「経乱」に分かれます。
さらに「経早」は気虚・腎陰虚・熱証に、「経遅」は痰湿・血虚・寒証に、「経乱」は肝気鬱結・腎気虚に分かれます。
「経早」の、気虚は気海・足三里を、腎陰虚は太渓・復溜を、熱証は血海・中極を使います。
「経遅」の、痰湿は豊隆・中極を、血虚は血海・子宮を、寒証は帰来・関元を使います。
「経乱」の、肝気鬱結は支溝・気衝を、腎気虚は太渓・子宮を使います。
また生理不順のどのタイプ伴う可能性のある瘀血には、太衝・三陰交が有効です。
生理不順でお悩みの方の参考になれば、幸いです。