紫外線・・・嫌な言葉ですね(笑)
日差しが強い時期では、特に注意しているのではないでしょうか。
紫外線が強いことで起こる美容の悩みといえば、シミです。
今回はそんなシミへの対策とシミへの鍼灸治療についてお話していきます。
Contents
シミができるまで
まずはシミがなぜできるのかというところからお話していきます。
シミができる原因は、肌の表皮にあります。
表皮は4層になっていて、一番下に表皮を作りだす基底細胞が並んでいる基底層があります。
基底細胞は紫外線に弱いので、基底細胞の間にいるメラノサイトがメラニンという色素を分泌し、紫外線を吸収させて細胞を守っています。
なので、メラニンはシミの原因にはなりますが、身体に必要なものなのです。
メラニンは分泌されると、肌のターンオーバーにより垢となって排出されます。
表皮のターンオーバーは一般的に約28日とされています。
メラニンが大量に分泌され溜まったり、肌のターンオーバーが乱れて滞ると、シミとなって現れます。
光を浴びることは悪いことばかりではない
紫外線に当たると、シミの原因になるかもしれないという話をしました。
しかし、光を浴びることは、メラトニン、ビタミンDには良い影響を与えてくれます。
メラトニンは睡眠ホルモンとも呼ばれ、体内時計を調整してくれます。
起きた時に朝日を浴びると、それから約15時間後にメラトニンが分泌され、睡眠を促してくれます。
ビタミンDは光により活性化されて、体の中で骨を強くしてくれます。
そのため夏でも30分、冬だと1時間くらい日光浴は必要です。
シミにも種類がある
シミと言っても4種類ほどあります。
しかしながら、基本的な対処法は、紫外線ケアとターンオーバーの調整です。
4種類を簡単に説明していきます。
・炎症後色素沈着
ニキビやケガなど炎症を起こした後に残る色素沈着です。
特に患部に刺激を与えると残りやすいので、患部の紫外線ケアも重要になります。
・老人性色素斑
薄茶色で境界がしっかりとしたシミです。
30~40歳代の多く、紫外線の影響とターンオーバーの乱れにより、シミになったタイプの方です。
・そばかす
鼻の周りにできる点状のシミです。
遺伝的な部分がありますが、外国の白人の方や色白の人に多いです。
・肝斑
頬骨や目尻の辺に左右対称に出て、境界がハッキリとしないのが特徴です。
妊娠やストレスがかかった時に出る事が多いので、ホルモンバランスが崩れたときに出やすいとされています。
そのため基本的なケアの他に、ストレスバランスを整えることで治ることが多いです。
シミ予防のための生活
ここまでお話してきましたが、シミが気になる人は、紫外線対策として、日傘や日焼け止めなどはしっかりと行ってきたと思います。
紫外線予防をされている方は多いと思うので、内面からのお話をしていきます。
シミの予防に重要なことは、メラニンが必要以上に分泌されるのを防ぐことと、ターンオーバーを正常化することです。
メラニンの必要以上の分泌を防ぐ上大事なのは、栄養素となります。
シミや美白に良い栄養素としてビタミンC、ビタミンE、L-システインが挙げられます。
ビタミンCの美白効果とは、メラニン色素の抑制によるものです。
ビタミンEは、紫外線の刺激で起こる老化を防いでくれます。
またビタミンCとビタミンEは一緒に取ることで相乗効果が期待できます。
TVのCMでL-システインという言葉を聞いたことあると思います。
L-システインと言われますが、体内で合成されるアミノ酸です。
アミノ酸はたんぱく質の元なので、肉類や大豆に含まれています。
メラニンを抑制し、さらにターンオーバーを促す作用を持ちます。
こちらもビタミンCと協力して作用するので、ビタミンCと一緒に取りましょう。
東洋医学とシミ
東洋医学でのシミのできやすいタイプは、以下のようなものがあります。
- 肝気鬱結(かんきうっけつ)
- 腎気虚(じんききょ)
- 脾虚湿困(ひきょしつこん)
- 血瘀(けつお)
肝気鬱結
東洋医学では、肝には体の様々な機能の補助し円滑に進ませる役割があります。
しかしストレスの影響を受けやすいので、ストレスによるシミの原因になります。
腎気虚
腎とは、成長や発育に関与している臓器です。
しかし、妊娠や加齢などで腎が蓄えている成長のエネルギーのようなものが不足することで、シミを引き起こす原因となります。
脾虚湿困
脾は消化・吸収・代謝に関わる臓器で、気(き)・血(けつ)・水(すい)を作ったり処理しています。
この臓器の不調を起こすと、水分が溜まり湿(しつ)という余分な水分ができてしまいます。
湿が溜まることで、茶褐色のようなシミが出来やすくなります。
血瘀
血の滞りのことを指し、体のどこに出来るかによって起きる不調が違います。
気の滞りや、内出血の後などにも起きる事があり、紫色~暗赤色をしています。
シミに効くツボと生薬
ここからはシミに対する治療の説明をしていきます。
シミに効く漢方の生薬
最近、薬局などでシミ・イボに効く成分として「ヨクイニンエキス」と宣伝されています。
カタカナ表記で分かりづらいですが、実は漢方薬の生薬であり、ハトムギのことです。
これは水分代謝を改善させる生薬なので、脾虚湿困には効果が高いです。
シミに効くツボと鍼灸治療
それでは鍼灸治療でシミは良くなるのでしょうか。
シミの原因をお話した時に、肌のターンオーバーのお話をしました。
鍼灸治療では、肌のターンオーバーを正常化する働きがあります。
シミの周囲に鍼を行い、鍼で傷つけて表皮が回復するために、ターンオーバが促されることでシミが改善します。
この時、刺激により悪化するシミもあるので、その見極めが重要となります。
またホルモンバランスの調整を行うことで、ホルモンバランスの崩れから起こるシミには効果があります。
ホルモンバランスを整える場合には、関元(かんげん)や次髎(じりょう)にお灸をしていきます。
さらに東洋医学でのシミの出来やすいタイプに合わせて治療を行っていきます。
肝気鬱結には、膻中(だんちゅう)と合谷(ごうこく)を用います。
腎気虚では、腎兪(じんゆ)と復溜(ふくりゅう)を用います。
脾虚湿困では、脾兪(ひゆ)と陰陵泉(いんりょうせん)を用います。
血瘀に効果的なツボとして膈兪(かくゆ)と三陰交(さんいんこう)が用います。
まとめ
シミは、紫外線から細胞を守るため、メラトニンが分泌するメラニンという色素が原因です。
メラニンは表皮のターンオーバーにより、28日かけて外に排出されます。
そのためシミを予防するためには、紫外線を避ける事と、表皮のターンオーバーが正しく行われるようにする事です。
またホルモンの影響でシミが出来る事もあります。
東洋医学ではシミが出来やすいタイプとして、肝気鬱結、腎気虚、脾虚湿困、血瘀があります。
鍼灸の治療では、ターンオーバーの調整、ホルモンバランスの調整、東洋医学のタイプ別の治療を行っていきます。
ターンオーバーの調整ではシミ周囲の鍼を行い、ホルモンバランスの調整では関元と次髎に行います。
東洋医学のタイプには、肝気鬱結は膻中と合谷(ごうこく)、腎気虚では腎兪と復溜、脾虚湿困は脾兪と陰陵泉、血瘀には膈兪と三陰交へ鍼を行うと効果的です。
シミでお困りの方は、参考にして頂けると幸いです。